4−1 コンティニュエーションベット
「コンティニュエーションベット」(continuation bet=CB)とは、「プリフロップでベットしたプレイヤーによってフロップ後も継続して行われるベット」のことをいいます。Dan Harringtonは、CBはトーナメントを通して多用される極めて重要な種類のベッティングだとしています*1。
Harringtonは、CBの3要素として
- ベットをしたプレイヤーがプリフロップでもベットしていたこと、
- フロップ後、他のプレイヤーから先にベットがされていないこと、
- フロップで何もヒットしなかったのにベットを行っていること、
を挙げています。
CBは、ブラフの一形態で、プリフロップでハンドの強さを主張したあとフロップでも継続してハンドの強さを主張することにより、ベストハンドを持っている相手をフォールドさせるために使われるベッティングです。
フロップでセットを引く確率は12%弱、ペアを引く確率は30%弱、ストレート・フラッシュを引く確率も10%前後しかないことから、通常は、プリフロップでコールをして弱さを見せている相手が、フロップによって助けられ継続的なベットにコールできることとなる確率は低いため、よほど危険なフロップでなければCBを行うことが推奨されます。CBの額としては、ヘッズアップの場合は、ポットの半分から3分の2程度が妥当だとされます。
CBすべきでないときもあります。例えば、ポジションがなくて複数人参加しているポットです。また、65sを持っているときにAJTが出るような完全に外してしまったフロップやAAを持っているときのKQJのような非常に危険なフロップのときもCBしない方が無難とされます。
さらに、自分がAを持っていない場合にフロップにAが出た場合にも、タイトパッシブなプレイヤーはAXでコールすることが多いことから、CBをすべきではないとする者もいます。しかしながら、CBの基本は、フロップにAかKが出たらAKを持っているようにベットし、AもKも出なければ、ハイペアを持っているようにベットするというものなので、異論があるところかもしれません。
CBを行う際に留意すべき事項は、CBは現在では非常に一般的な概念となっているので、Light 3 Betと同様、相手からもブラフによってスチールされる可能性が高いということです。ときにはレイズされたりコールされたりして難しい判断を迫られるかもしれませんが、一方実際にハンドが入っていてベットしているときにレイズされる場合もあると思われますので、それほどレイズされることについてセンシティブになる必要はないでしょう。
*1:Harrington on Hold’em vol.1, p277.