この投稿のつづきです。
PokerSnowie(スノーウィ)に続いてPioSOLVERでもどのフロップが好ましいか期待値を計算してみました。
3Way以上のハンドは厳密にはPioSOLVERで解析できません(均衡解が出せるのはヘッズアップのみ)が、BBはかなりの確率でフォールドすると考えられるので、COとBTNのヘッズアップとして均衡解を解析してみます。
CO(OOP)のRFIのハンドレンジ及びBTN(IP)のCOのレイズへのコールレンジはそれぞれ次のとおりです。
まずフロップAc7s2hのOOPのAhJhのEVは14.628(7.314bb)です。
アクションの内訳は、チェックが優勢で63.2%、次が25%ベットで20.6%、ハーフポットベットが14.9%、ポットベットが1.2%です。
それぞれのアクションの期待値は↓のとおりですが、チェックが14.662と一番大きくなっています。
続いて、Jd9d4hのフロップですが、AhJhの期待値は13.261(6.63bb)です。
アクションの比率は、チェックが43.4%、ハーフポットベットが39.0%、25%ベットが13.4%、ポットベットは4.1%です。
アクションごとの期待値は次のとおり。
最後にQhTh6sですが、AhJhの期待値は14.746(7.373bb)です。
アクションの比率はチェックが92.4%で圧倒的です。
それぞれの期待値は以下のとおり。
よって、PioSOLVERでの解析では、
QT6(7.373bb)>A72(7.313)>J94(6.63)となりました。
ただし、ロイヤルドローとTPGKはほぼ僅差ですね。
次に、AhJhがBTNのときを見てみます。このときは、COがチェックをした場合と3種類のCBを打った場合の期待値をそれぞれ見てみます。
A72のフロップ
COがチェックしてきた場合のAhJhの期待値は19.132です。
BTNのアクションはチェックが最も優勢なアクションですが、どのアクションもそれほど期待値は変わりません。
COがハーフベットしてきた場合の期待値は、14.402でほぼコール一択です。
25%ベットしてきた場合は、19.505でほぼコール一択。
ポットベットの場合は、12.325でコール一択です。
Jd9d4h
COがチェックしてきた場合のAhJhの期待値は17.995です。
BTNのアクションは25%ベットが54.8%で最も優勢なアクションですが、どのアクションもそれほど期待値は変わず、チェックと25%ベットは同じ期待値です。
COがハーフベットしてきた場合の期待値は、23.391でコールが77.28%で22%がレイズ、フォールドはありません。
25%ベットしてきた場合は、22.856でコールが62.9%で優勢あとはレイズでフォールドはありません。
ポットベットの場合は、19.358でコールが72.5%でレイズが残りでフォールドはありません。
QhTh6sのフロップ
COがチェックしてきた場合のAhJhの期待値は17.108です。
BTNのアクションはハーフポットベットが40.4%で最も優勢なアクションで、次が25%ベット、チェックバックは28.6%のみです。
COがハーフベットしてきた場合の期待値は、19.955でコールが79.1%で20.8 %がレイズ、フォールドはありません。
25%ベットしてきた場合は、19.286でコールが69.6%で優勢あとはレイズでフォールドはありません。
ポットベットの場合は、17.616でレイズが64.4%でコールが残りでフォールドはありません。
こちらは面白い結果になりました。
まず、COがチェックしてきた場合は、A72(19.132)>J94(17.995)>QT6(17.108)
ハーフポットのCBを打ってきた場合は、J94(23.391) >QT6(19.955)>A72(14.402)
25%ベットの場合は、J94(22.856)>A72(19.505)>QT6(19.286)
ポットベットの場合は、J94(19.358)>QT6(17.616。レイズ優勢)>A72(12.325)
よって、ORがチェックしてきた場合は、A72が一番期待値が高いが、ベットしてきた場合はJ94が一番期待値が高いことになりました。
要はチェックされた場合に相手のレンジからAKAQが減って、TPGKの価値が上がるが、CBを打たれた場合は、TPGKの価値が下がる一方で、TPTKの価値が上がる(Jヒットのドミネイトが多くレンジに含まれる、フラドロでのOOPでのCBがそれほど均衡的でない=フラドロがレンジから減る)、一方でスノーウィほどロイヤルドローを評価していないということでしょう。
こちらはQT6が一番良いと思っていたので意外でした。
このようにスノーウィだけでなくPioSOLVERも使うのは非常に勉強になりますが、PioSOLVERの場合は、ハンドレンジとベットサイジング、特にハンドレンジの特定が難しいので、この辺がうまく設定できず、実際にあり得ないハンドレンジ同士の対決の均衡解を解析しても全く意味のないものになります。
よって適切にハンドレンジが設定できる中級者以上向けのツールと言えます。
スノーウィチャレンジでどんどん経験を増やし、適切なハンドレンジが身に着いたらPioSOLVERでの解析も加えるというのは、非常に効果的な学習方法だと思います。