ポーカーの高速道路とけものみち

     自分の大好きなポーカーに関する戦略などを紹介



このブログについて

自分の大好きなポーカー(特にTexas Hold'em(テキサスホールデム))
というゲームに何か貢献ができないかと思い、ブログを始めました。    
ポーカーに関する戦略などを紹介していきたいと思います。         

フォールドエクイティ  

 

ポーカーの本質について、ポーカーがスキルゲームとなる大きな理由のひとつフォールドエクイティについて解説します。

フォールドエクイティという言葉は聞いたことがあって内容も理解されているかもしれませんが、ポーカーというゲーム特にトーナメントポーカーにおいて、フォールドエクイティという概念がどれくらい重要かということについては、余り流布していないような気がしています。フォールドエクイティは、私のポーカーのレベルを大きく上げた3大概念のひとつです。

 

この投稿を読むと、運がよいときは勝てるけど運がよくないとどうも勝てない、トーナメントで気が付けば自然死してしまうという悩みを抱えている方、壁にぶつかっている方がその壁を越えていくきっかけとなる、

ポーカーで継続的に勝っていくために習得することが不可欠な概念を習得できると思います。

 

 

はじめに

ポーカーでは2種類の勝ち方があるのはご存じですよね。

1つ目は、ショウダウンで強いハンドを持っていて勝つことで、2つ目は相手がフォールドすることです。

ポーカーで勝つ、すなわち、ポットを獲得する回数については、ショウダウンで強いハンドを持っているケースは少なく、相手がフォールドしてポットを獲得する回数の方が多くなります。

ショウダウンで勝つにはたまたま勝っているハンドを持っていることが必要なので、その回数にスキル差は出ません。もちろん勝てる額の大小にはバリューベットが上手い下手などスキル差が出ますが。相手をフォールドさせる機会を増やして、その結果、ポットを獲得する回数を増やすのがスキルとなります。ブラフで相手がフォールドする回数を増やす、しかも、リスクを抑えるために必要最小限の額のブラフで相手をフォールドさせるのは、かなりスキル差が出る分野になります。

 

エクイティとは

こちらがAKdsを持っていて相手が76chを持っている場合、この時点で、AKには61.5%、76には38.5%の勝率があります。

この勝率、この時点でのポットの取れる割合のことを「ポットエクイティ」、通常は単に「エクイティ」と言います。どのようなフロップ、ターン、リバーが出るかは分かりませんが、確率的にこのあとショウダウンまで行った場合、AKは61. 5%、76は38.5%勝てる可能性があります。ただ、プリフロップでAKがレイズをして、76がフォールドしたら、76が本来38.5%持っているいた勝率、エクイティは、フォールドすることでなくなることになります。76がフォールドすることによって、AKの勝率が100%になる。61.5%から相手の38.5%のエクイティを奪って100%になります。この、76がフォールドしたことによって放棄したエクイティ、AKが76をフォールドさせたことによって獲得したエクイティのことを広義の「フォールドエクイティ」といいます。

フォールドエクイティには狭義のフォールドエクイティと広義のフォールドエクイティがあって、狭義のフォールドエクイティはWikipediaとかにも定義があるのですが、

広義のフォールドエクイティにベットした場合に相手がフォールドする確率を掛けたものになるのですが、正直相手がフォールドする確率とか机上の空論なので、ここでは無視して広義のフォールドエクイティだけを議論します。

 

プリフロップでは、AKのレイズに76がコールして、フロップに行って、

フロップがA98chsだとすると、

AKのエクイティは66%、76のエクイティは34%になります。

A97chsだった場合には、AKのエクイティは78%、76は22%になります。

ターンも同じように色々なカードでエクイティが変わります。

このエクイティの変化を読む、どちらのハンドに有利なカードなのかを読むことが以前の動画で紹介したボードテクスチャで、どちらのハンドに有利なのかを数えるのがコンビナトリクス、ハンド単体でなくレンジとしてどちらに有利なのかを把握するのがレンジで考えるということになります。

 

閑話休題

 

フロップがA98だったとして、AKにコンティニュエーションベットを打たれても76はフォールドせずちゃんとコールをし、ターンではTcが落ちた場合には、AKの66%あったエクイティは0%になり、76のエクイティは100%に上がることになります。

このように、自分のエクイティを守って強いハンドを完成させる、相手のエクイティを奪ってポットを取るという、エクイティの取り合いがポーカーの本質となります。言い換えると、①自分のエクイティを保持して実現させること、②相手のエクイティを放棄させ自分のエクイティに変えることがポーカーの本質です。

後者の相手をフォールドさせることにより放棄させたエクイティのことをフォールドエクイティといいます。

 

フォールドエクイティがなぜ重要か

ショウダウンで勝つには、端的に強いハンドを持っている必要があり、そのようなケースは高頻度では訪れません。またナッツを持っていない限り、自分が勝っているか分からない状況でショウダウンに至ることになり、リバーの時点でナッツを持っているのはかなり稀です。

一方で、相手をフォールドさせてポットを取るのは、自分のハンドは全く関係なく、もちろんボード、ポジション、ベット額、ポット額などいろいろな要素が影響しますが、そもそも間口が広いので、相手をフォールドさせて勝つことが大半になる、すなわち、フォールドエクイティを獲得することで勝つケースの方が自然と多くなります。ギャップコンセプトというコールするにはレイズするより強いハンドを持っていないといけないというのもこの考え方に基づくものです。

フォールドエクイティの概念は、特にトーナメントで重要になります。ブラインドが全く変わらないキャッシュゲームと違って、トーナメントでは、定期的にブラインドが上がるため、ハンドをただ待っていると自然死するリスクが増すためです。

Twitterで20bb~30bbスタックがあればスタックがなくなるまでにQQ+のハンドが来る可能性が高いので、プレミアハンドを待つべきというコメントを見た記憶がありますが、

確率的に221回に1回AAが来るというのは、221回待てば必ずAAが来るわけではないですし、例えば、運よく10bb減った段階でAAが来たとして、10bbのスタックでオールインして80%を引けてダブルアップしてどうするのかということです。それよりは20bb、30bbなど、ある程度スタックがある状況でオールインした方が、相手がフォールドする可能性もかなりあり、またコールされたとしても勝つ確率がある程度あり、ダブルアップできた場合に増えるチップも多いということも考慮する必要があります。したがって、いかにしてフォールドエクイティが獲得できるかを考えた方がトーナメントでは勝ちやすくなると思います。このような考え方の基となるトーナメントの基本的な知識、M値、パワーナンバーなどについては、また別に動画を作成したいと思いますのでよろしくお願いします。

 

本題に戻ると、ポーカーに勝つためには、エクイティの獲得が必要で、ショウダウンで勝っているハンドを持っている場合は少ないのでフォールドエクイティを獲得しなければならず、そのためには、相手をちゃんとフォールドさせる、フォールドさせなさすぎに注意しならず、一方で自分は相手にフォールドエクイティを獲得させないために、フォールドし過ぎにも注意しなければなりません。

以前バリューベットを説明する動画で、ショウダウンで負けたハンドに遭遇した場合に「これ降りれたかもな~」と反省することは簡単だが、相手からもっとバリュー取れたかもなという反省は難しいという話をしましたが、フォールドし過ぎ、すなわち相手に頻繁にフォールドエクイティを取らせてしまうことを防ぐためにも、過剰にあれ降りれたかもと反省するのはよくないです。もちろんコールし過ぎもよくないですが、少しでもポーカーを勉強し始めている人でコールし過ぎの人はどちらかというと少ないと思います。

 

フォールドエクイティの攻撃と防御

それでは、どうやったらフォールドエクイティが獲得できるようになるのでしょうか。それは、端的にブラフです。ブラフについては別途動画を作成しますが、これまでの動画、コンビナトリクス、ボードテクスチャ、ハンドレンジの読み方を使って、ボードテクスチャと相手のハンドレンジに照らしてコンボを見積もって、ブラフターゲットに向けてブラフを打つことになります。

一方でその裏表となりますが、フォールドエクイティを取られないようにするには、まずは適切なコールをすることが重要です。ポーカーを始めた頃は、ハンドを待てなかったりハンドに参加したくなるので、コールし過ぎ・フォールドしなさすぎになる、いわゆるコーリングステーション的なミスが多いですが、少しポーカーを勉強するようになると、プレイスタイルはまずタイトアグレッシブを目指すのが自然なので、コールし過ぎは自然と修正されることとなります。一方で、コールしなさすぎ、フォールドし過ぎのミスが多くみられるようになります。

特に多いのが、フロップでのコンティニュエーションベットにフォールドし過ぎ、ターンリバーでのブラフに降りすぎ、あとはプリフロップでのSB、BBでの降りすぎ、IPからのコールしなさすぎなどになります。プリフロップについては、ポーカースノーウィのハンドレンジなどで見てもらえればある程度フォールドし過ぎは修正できます、もちろん相手も適当なレンジでオープンしていることが前提ですが、フロップ以降は色々複雑な要素を考慮する必要があるので、また別途取り上げたいと思います。ここでは、フォールドし過ぎ・コールしなさすぎもよくないという点だけ覚えておいてください。

フォールドエクイティを取られないようにする最善の方法は、オールインです。オールインをすれば、物理的にフォールドエクイティを取られる可能性はゼロになります。先ほども言及しましたが、オールインをして負ければトーナメントは終わりになるので、ギリギリまで耐えてプレミアハンドを待つという方も多いかもしれませんが、スタックが十分にあって相手がフォールドしやすい状況下で、自分のエクイティが取られる可能性がゼロで相手から奪うフォールドエクイティを最大化できるオールインは、トーナメントで勝ち抜く非常に大きな武器となります。

私の最近の例だと、16.5ドルのターボトーナメントで655人中3位になったものがあるのですが、252ハンドプレイしたうち、ポットを獲得したハンドは36ハンドで、そのうち相手がフォールドしてポットを獲得したハンドは61.1%の24ハンドでそのうちオールインは16ハンドでした。負けたハンドは216ハンドでそのうちフォールドしたハンドは156ハンド、負けたハンドの72%です。この数字だけ見ても運の良さなどのばらつきに依存する部分も多いですが、相手がフォールドして取れるポットの数が多いことと、オールインスチールの比率も高いことが分かると思います。

 

アグレッシブポーカー

私がフォールドエクイティという概念を初めて知ったのは、私が翻訳したアグレッシブポーカーの原著KillEveryoneでした。アグレッシブポーカーというトーナメント本でフォールドエクイティが紹介されているのは、トーナメントではハンドを待っていればブラインドが上がって自然死してしまうので当然のことです。アグレッシブなプレイヤーほどトーナメントで優勝することが多いのも、フォールドエクイティで説明できます。アグレッシブにベットをするプレイヤーはブラフの回数も増えるので、成功率はともかく成功した場合にはフォールドエクイティを獲得する回数も増えます。また、自分からアグレッシブにベットした場合には、相手にレイズされない限り、こちらはフォールドすることがないのでフォールドさせられる回数も自然と減ることになります。また、オールインした場合には、フォールドエクイティを取られる可能性はゼロなのでオールインを多用するアグレッシブなプレイヤーがトーナメントで有利なのは当然のこととなります。

 

まとめ

以上フォールドエクイティについて、ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

ポーカーの本質がエクイティの奪い合いにあることを理解し、相手のエクイティを奪う、フォールドエクイティを確保することがポーカーで勝つ上で不可欠だということを理解して、アグレッシブなプレイを心掛けることで、成績が向上すると思います。